陽だまりに影が落ちるとき

※これは2021.6.29にnote(閉鎖済)へ投稿した記事の再編集版です。

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例えば眠れない夜、余計眠れなくなるのが分かっているのに、ベッドの中でTwitterを開いて誰かの気配を探してしまうように、彼にもそんな夜があるのかもしれない。

 

最近、朝起きるとスマホの通知を見て悔しくなる時が何度かある。
通知が来ていた時間は日付も超えた真夜中。
それは決まってスングァンちゃんのVLIVE配信開始の通知なのだけど、私はスマホに時間設定をかけて夜中の通知を全てoffにしているので、リアルタイムでプステラ(スングァンちゃんが深夜に配信する音声VLIVE)を視聴できたことが殆どない。

weverseでコメントを大量に返信する時もいつだって深夜で、スングァンちゃんはいつも気まぐれにふらっとタイムラインに現れて、しばらくCARATとの交流を楽しんだ後に「CARAT達ありがとう。おやすみ。」と去っていく。

 


人見知りなんて言葉、たぶん彼の辞書にはない。
ツアーで訪れた海外の地でも、言葉も通じないのにストリートでのバレーボールに飛び入りで参加できてしまうくらい、抜群のコミュニケーション能力。
単独でのバラエティ出演も多くて、その中での自分の立ち位置や最適な振る舞い方もよく分かっている。

トークを任せられる安心感と、絶対にその場が盛り上がる安定のキャラクター性。
スングァンちゃんが居れば大抵のことはどうにかなる。
そんな彼の居るところは、いつも陽が差しているかのように暖かくて、見ている人に元気を与えてくれる。

 

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『沈まない太陽』。
いつかのバラエティ番組でメンバー達が彼の事をそう表現した。SEVENTEENとCARATの太陽みたいな存在。
そしていつも明るくてグループの盛り上げ役だからこそ、たまには休んでね、とも。


彼が照らしてくれる場所はギラギラと照りつける夏の太陽のように思えて、実は暖かな春の陽だまりのような安らぎがあると思う。

彼のことを知れば知るほど、目で追えば追うほど、
ぽかぽかと照らす陽射しの合間にふっと雲が過るような、そんな瞬間に出くわすことがある。

 

スングァンちゃんは賢い。
何でもスマートにこなせてしまって場の空気も読める子だ。自己管理能力も高くて、自分が納得する自分になるための努力を惜しまない。


だけどそんな彼にも、きっとどこか言いようのない不安や寂しさに襲われる夜があるのかもしれない。

 

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だから唐突に始まる深夜のコメント返信も、VLIVEも、こんな時間に大丈夫?と心配になりつつもそれが彼の心の安寧に繋がって、翌日ちょっと寝不足でもまあ何とかスケジュール頑張ろうかな、くらいに思ってくれるなら本望だ。

24時間365日、いつも笑顔で元気よく、なんて無理だよね。大丈夫、みんなそうだよ。


そしてこれは私のわがままに過ぎないのだけど、私はアイドルに『人間らしさ』を失って欲しくない、と思っている。

もちろん、ステージ上で完璧なパフォーマンスをこなすことはプロとして大前提だけど、特に韓国のアイドルって至る所でカメラがまわっていたり、カムバ時期なんて鬼のような忙しさだし、そんな忙しい1日の合間を縫ってヨントンやサイン会をこなしていたりする。

職業がアイドルな以上、彼らもこんなスケジュールは慣れているだろうし、もちろん好きで楽しんでやっていることの方がきっと多いに違いない。
だけど、ツアードキュメンタリーで不調を訴えるメンバーが続出する姿を見て、私は「アイドルにこれ以上壊れて欲しくない」と心の底から思った。

完全無欠のサイボーグになんて、ならなくていい。
あなた達には一人の人間のアイドルで在り続けて欲しい。
疲れた、休みたい、さみしい、褒められたい、構って欲しい。そういう欲も時折見せて欲しいな、と思ってしまう。(もちろんプロとして一貫してファンに見せないことも凄いとは思う)

 


だから私は、アイドルとして100点満点じゃ足りないくらい、常に輝き続けるスングァンちゃんがふとした瞬間に見せてくれる影のような部分に、不思議と少し安心してしまう。


夜中の感性、と本人は冗談ぽく言うかもしれないけど、彼が深夜に発する言葉が、ステージやバラエティとはまた違った人間らしさがあって私はとても好きだし、こういう時間を守ってあげたいな、と思う。
だって、アイドルにもそんな夜があることに、救われる私みたいな人間もいるから。


そして、そんな彼の素直な感情を受け入れてくれるメンバーや、夜中にも関わらず親身になって彼を楽しませてくれるCARATたちがいてくれてよかったな、とも思う。

心に抱えたほんの少し仄暗い気持ちを「CARATに力を与えて、力をもらいたかったんだよね」という言葉でまろやかに包んで、世界のどこかで、同じ時に同じような想いを抱えている人に寄り添ってくれる。
彼の元には、きっと毎日CARATから多くのメッセージが寄せられているはずだから、同じ気持ちを抱えているのは自分だけでは無いことを知っているのかもしれない。

 

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いつかまた眠れない夜、偶然同じような夜を迎えている彼に出会ったら、その時はゆっくり彼の言葉に耳を傾けて、一緒に不安な夜を乗り越えていけたらと思う。